『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
―――――コンコンッ。
「はい、どうぞ~」
中から美鈴さんの声が聞こえ、ドアを開けた。
すると―――――、
「えっ!?」
アトリエの壁際に、
ベビーピンクのセクシーなドレスが1着。
「あっ、あの……」
「ん?」
「もしかして、これを私が?」
「ん~そう!!キレイでしょう?絶対、葵ちゃんに似合うよ~?」
「えっと…あの……その……」
「ん?あっ、ほら、時間が無くなっちゃうから先にメイクしちゃおう?」
「………」
何て言っていいのか分からない。
“高級ホテルでお食事”するんだから
それなりにフォーマルドレスかなぁ?
とは、思ったけど……。
こんなにお色気ムンムンの女優ドレスは着れないよ。
ビスチェタイプだから、
胸だってそこそこないとダメだろうし。
どどどど、どっ、どうしよう。
用意された椅子に座ると、
手際よくヘアセットが施され、
メイクもあっという間に仕上がった。