『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
急に嫌悪感を露わにした潤くん。
お姉ちゃんは一体、彼に何を言ったのかな?
「お姉ちゃん?」
「ん?」
「どうかしたの?」
「んッ?んー……うん……」
何だか言い難そうに苦笑いを。
潤くんは何だか慌て始めてるし…。
2人ともどうしたんだろう?
その時―――――、
「えぇ…それでは、開場となりますので、ご着席の上、今しばらくお待ち下さい…」
大きな入口の扉の前で、
両手を掲げ、男性が声を張り上げた。
すると、
「葵、行くよ?」
「へ?」
「ったく!!マジかよッ!?」
姉に手を握られ入口へと歩かされる。
すぐ後ろには不機嫌の潤くんが。
私は、
人波に吸い込まれるように
入口から部屋の中へと……。