『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
!!!!!!!!
「えぇっ!?」
部屋に入った私は、
目の前に広がる光景に固まった。
部屋は“会場”という言葉が相応しい雰囲気。
壁際にはズラリと並ぶカメラの壁。
部屋は大宴会場とも言えるほどの広さに
披露宴を思わせるテーブルセッティング。
とてもとても『レストラン』ではない。
「葵?」
お姉ちゃんが声を掛けて来るが、
思考が停止している今、
真面な返事をするのは難しい。
すると――――、
「葵?大丈夫か?」
そっと耳元で優しく囁く潤くんの声。
私はやっとの想いで振り返ると、
「ごめんな?姉貴が騙したみたいだ」
「えっ?!」
「あのな?今日は姉貴の受賞記念の祝賀会らしい」
「へ?」
「自分から祝ってとは言い辛い…みたい?」
「……そうなの?!」
お姉ちゃんに視線を移すと
「葵、ごめんねぇ……」