『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
そんな彼女に……。
「あぁ、本気だよ」
小さく呟き、笑顔を向けた。
そして―――――、
『それでは、葵さん?お願いします』
シーンと静まり返る中、
「…………私で良ければ…」
彼女はそう小さく呟いた。
その彼女の声をしっかり拾ったマイクで
会場内に響き渡った。
すると、
頭上から紙吹雪
会場からは来賓客の盛大な拍手と
溢れんばかりの“おめでとう”の嵐。
そして―――――。
何十台ものカメラのフラッシュ。
何が何だか分からないうちに
俺と葵は200人ほどの祝福を受け
公然の恋人となった。
暫く拍手が響き渡り、
そろそろひな壇から立ち去ろうとした
その瞬間!!