『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
『は~い!!それでは皆様、この初々しいラブラブなお2人の熱~い口づけを見てみたいとは思いませんか~?』
『見たぁ~~い!!』
会場に悪魔の叫びが響き渡る。
『ですよねぇ~!では、会場の皆様のご声援にお応えして……お願い致します!!』
ッ!!!???!!!
………マジで??!!!
いや、待てって……。
今、そんな事言われても…。
会場へ視線を向けると、
数十台のカメラが
物凄い至近距離まで近づいて来た。
えぇぇぇ~~~ッ?!!
葵に視線を移すと、
両手で顔を覆い俯いている。
はぁぁあぁぁ~~。
どこまで苛めたら気が済むんだよ!!
隣りの姉貴を見ればニヤニヤしてるし。
はぁ―――――ぁッ!!
もう、どうにでもなれっ!!
俺は葵のすぐ隣に。
「葵?」
「………」
両手で顔を覆い立ち尽くす彼女。
そんな彼女の両手をそっと退けて…。