『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
「それとも、俺が葵さんにベタ惚れって言うのはどう?」
「えっ?ベタ惚れですか?」
「うん、それにしよう!イチャイチャ、ベタベタだと周りからワザとらしいって思われる可能性が有るし。」
「・・・・・」
「けど、ベタ惚れなら葵さんはあまり演じなくても、俺に任せてればいいワケだし」
「はぁ…。ベタ惚れってどんな感じですか?」
「そうだね、………教えたい所なんだけど、今話しちゃうと明日の反応が薄れるから、お楽しみってことで」
「お楽しみ……ですか……」
「まぁ、俺が一方的に惚れ込んでるって設定で、葵さんは嫌がらず相手してくれればいいから。」
嫌がらず……??
一体どんなことするのかな?
何だか、勿体ぶってる感じで…余計に気になっちゃうよ。
それにしても、こんな“超絶イケメン”に惚れられるってどんな感じ?
全然イメージも湧かないよ。
カフェオレを飲みながら考えていた。
「じゃあ、細かい事は歩きながらでいいかな?」
「はいっ??」
私は急に手を取られ……
いつの間にか席を立たせられていた。
「何処へ行くんですか?」
「洋服屋さん」
「洋服屋??」
「そう、姉貴からトータルコーディネートするように言われてるんだ」
「そんな、悪いですよ…」
「いいって!!コレも姉貴の娯楽だから。行くぞ?」