『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ


葛城さんは上から下までじっくり見てる。

恥ずかしい……。



「すみません、コレ全部下さい」


葛城さんはそう言うと、カードを渡して傍に…



「凄く可愛いよ。素材が良いからお姫様みたいだね?」

「はい。凄く高級そうな服ですよね?…あっ、高級そうじゃ無くて高級な服ですよね?…すみません……」

「??……プッ…アハハハハッ…」

「ん?何か可笑しいですか?」

「素材が良いのは服じゃ無くて、葵さんの方だよ」

「え――――――――っ!?////////」



葛城さんはお腹を抱えて笑ってる。

そんなに笑わなくてもいいのに。

だって“素材が良い”なんて、自分の事を褒められてるなんて思ってもみないよ。

服とばっかり……。

あ―――恥ずかしい………。



「とりあえず、精算するから着替えておいで?俺は向こうで待ってるから」

「………はい」



葛城さんはメンズコーナーへと消えて行った。

私は着替えを済ませ、店員さんに一式を手渡しメンズコーナーへ。

葛城さんはジャケットを見ていた。



「買われるんですか?」

「あぁ、姉貴のカードだからね?どっちが良いかな?」



目の前に出されたのは、黒いジャケットとグレーのジャケット。

どちらもスリムなテーラージャケット。



< 22 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop