『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ


飲み会当日―――――。

フットサルサークルは18時から宴会がスタートするらしく、私と葛城さんは18時半の待ち合わせすることになっていた。


駅前に着くと葛城さんの姿はまだ無い。

そりゃぁねぇ…まだ15分前だし。


確か葛城さんは大学から直接来るって言ってたよね?

私は改札口のすぐ脇の壁際に立って待つ事にした。

ここなら来るのがすぐ分かるよね?



すると―――――。


「こんばんは」


私は声のする方へ振り返ると、見知らぬ男の人が3人。

かなり遊んでる風のお兄さん方。

私は嫌な予感がして逃げようと後ずさり。

しかし、背後は壁があり逃げれない状態。


1人の男が髪を撫でて来た。


「ねぇ、誰かと待ち合わせ?俺らとご飯しない?」

「い、行きません。彼が来ますので…」

「彼?いつ来るの?彼が来るまででいいから付き合ってよぅ。フッ…」

「キャッ!!」


男は耳元に息を吹きかけた。

タバコと香水の匂いで気持ち悪い。

髪を触る手が首筋に…

あまりの気持ち悪さに鳥肌が立つ。


後ろは壁。

目の前と左右に男が立ちはだかり…

通りすがる人々は知らぬふり…。

どうすることも出来ず、恐怖心でギュッと目を瞑った。






< 24 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop