『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
飲み会当日―――――。
フットサルサークルは18時から宴会がスタートするらしく、私と葛城さんは18時半の待ち合わせすることになっていた。
駅前に着くと葛城さんの姿はまだ無い。
そりゃぁねぇ…まだ15分前だし。
確か葛城さんは大学から直接来るって言ってたよね?
私は改札口のすぐ脇の壁際に立って待つ事にした。
ここなら来るのがすぐ分かるよね?
すると―――――。
「こんばんは」
私は声のする方へ振り返ると、見知らぬ男の人が3人。
かなり遊んでる風のお兄さん方。
私は嫌な予感がして逃げようと後ずさり。
しかし、背後は壁があり逃げれない状態。
1人の男が髪を撫でて来た。
「ねぇ、誰かと待ち合わせ?俺らとご飯しない?」
「い、行きません。彼が来ますので…」
「彼?いつ来るの?彼が来るまででいいから付き合ってよぅ。フッ…」
「キャッ!!」
男は耳元に息を吹きかけた。
タバコと香水の匂いで気持ち悪い。
髪を触る手が首筋に…
あまりの気持ち悪さに鳥肌が立つ。
後ろは壁。
目の前と左右に男が立ちはだかり…
通りすがる人々は知らぬふり…。
どうすることも出来ず、恐怖心でギュッと目を瞑った。