『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
「葵、ちょっと」
「はい?」
私はテーブルの上に覆いかぶさるように、葛城さんに顔を近づけた。
すると―――――。
「アイツらだけじゃなくて、周りの連中も葵の事見てるよ?もっと笑顔で…な?」
ギャ――――ァ!!
耳元で囁かれたよぉ―――!!
スゴ―――――く、甘い声……。
「んッ/////////////」
そんな甘い声で囁かれたら蕩けちゃうよぅ。
分かってるのかなぁ?
周りのお客さんも店員さんも…。
皆…あなたを見てるんですよ?
葛城さんが私の耳元で話しているから
周りがザワザワし出したじゃない。
そりゃそうだよね。
超絶イケメンがこんな近くで囁いてくれるんだもん。
そりゃ、気になっちゃうよね?
少し離れた卓席の女性客と目が合った。
私を値踏みするかのように見てる。
私は視線を逸らし、カシスソーダをゴクゴク飲んだ。
「葵、隣り行っていい?」
「えっ!?」