『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
「亘!!お願いだから離して、腕が痛いっ!!」
掴んでる亘の腕をパシッパシッ叩くが全然通じない。
「ちょっと、どこへ行くつもりよ!!」
「俺んち」
「はぁぁあ?意味分かんない!話があるならここでして!!」
私はもう…周りの視線も気にせず大声で怒鳴った。
正門付近はかなりの人だかり。
それも女子ばかり。
何? 何かやってるの??
半ば亘に引きずられながらも…ふとそんな事を思った私。
すると――――!!
「葵!!」
人だかりの中から…葛城さんが。
「えっ!?」
葛城さんは女の子達の波をかき分け私の方へ。
亘は私の腕を掴んだまま立ち止まった。
「おいっ!!アンタ誰?葵の腕を離せよ!!」
「はぁ?葵だぁ?気安く人の女を呼び捨てにすんなよ!」
「フッ…葵がお前の女?笑わせんな」
葛城さんと亘が睨み合ってる。
何!? この修羅場!!
ドラマの世界でしょう!!