『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ


「アイツ…キミに未練があるっぽいよな?」

「へっ!?」

「じゃなかったら、あんなに牙剥き出しにしないだろ」

「………どう…なんでしょう」

「で、より戻す気は?」

「えっ?まさか、ありえませんよ!」



“より戻す”って、私が亘と?

ハハハッ…それはホントありえない。

そもそも付き合ってたうちに入って無かったよ。

“キス”以上、何も無かったし。


だから返ってサッパリ、スッキリしてる。


ん?………してる?

さっきみたいに修羅場が、今後もあるんだろうか?

ドラマのようなドロドロが…。



「俺は姉貴に頼まれてるだけだから、キミがアイツとよりを戻すなり、新しい彼氏が出来れば…契約終了だけど」

「えっ?」

「新たな恋が見つかったら、遠慮なく言ってな」

「………はい」



“新たな恋”ねぇ。

今はまだ、前の恋も終わったんだか定かじゃないし。

今はそれどころじゃ…。


けど、新しい恋が見つかったら…

葛城さんともお別れなんだよね?



< 43 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop