『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
「で、どこへ行くんですか?」
「どこ行きたい?」
「………」
“どこ行きたい?”って。
私がどこ?って聞いてるのに、逆に聞かれても。
今までデートらしいデートなんて。
亘るとは映画やショッピング、あとは家デートだったし。
他は行った事ないなぁ。
葛城さんって“恋人代行”してるくらいだから、
色んな所を知ってそう…。
「葛城さんのオススメで…」
「いいの?…う~ん、じゃあ…あそこにしようかな?」
「???」
車は軽快に目的地へと。
着いた先は………神社!?
えっ?神社でデート?
駐車場に車を停めて。
葛城さんの後を追う。
お参りでもするのかしら?
「着いたよ?」
「うわぁ~~~!スゴーーイ!!」
目の前には、赤・白・ピンク…
一面に咲き誇ったつつじの絨毯。
丘陵にある神社ならでは…。
見晴らしが良く、陽当たりも良いからなのかな?
凄く綺麗に咲き誇ってる。
しかも、平日の午後は人気も無くて…
ある意味“貸切状態”