『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ

「あっえーと、葛城さんがお嫌でなければ…」

「ん？俺？俺は姉貴に頼まれてるだけだし、何とでも」

「じゃあ……まだ暫く…」

「了解。さっきも聞いたけど、より戻す気無いんだよね？」

「はい、ありません」

「彼が心を改めても？」

「………無いです」

「そう……」



無い……ムリ……ありえない。


心を改める？

そんなの無理に決まってる。

彼にとって別に私じゃ無くても

女の子なんて幾らでもいるだろうし。


うん！！無い、無い！！


暫く“恋”は…おあずけ。

心から信頼出来る人に出会うまで、

恋はご法度！！

もう、見た目には騙されないんだから！！



「じゃあ、時間が合う時は迎えに行くね？」

「えっ？」

「彼氏がいるのに一緒にいる所を見せなきゃ、意味無いでしょ！？」

「えっ……でも………」

「俺に遠慮は要らない」

「…………でも」

「じゃあ、そういう事で！！」

「……はぁ………」