『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
何だか強引な気もするけど、私的には有難い。
万が一、また今日みたいに彼が目の前に現れても困るし。
ってか、今日のアレで通じたよね?
うん……普通なら通じてる。
けど……亘、かなり俺様な所あるし。
葛城さんには申し訳ないけど、
暫く付き合って貰う事にしよう。
「好きな物って何?」
「へ?」
「夕ご飯」
「あぁ~。う~ん、何でも」
「ホント?超激辛料理とか今にも潰れそうなお店でも?」
「えっ!?」
「………フフッ、冗談」
「えぇぇ~~!!」
運転しながら、片手で頭を撫でられる。
「ごめん、ごめん。つい、苛めたくなるんだよね」
「えっ!?」
ハンドルを握りながら、爽やかに微笑んで。
今のも冗談ですか?
“苛める”って……。
葛城さんって、そういう人なの?
まさか……まさかね…。
私は横目でチラチラ盗み見。
さっきの発言……本気なのかなぁ?
それにしても、う~ん何度見ても超絶なイケメン。
う゛っ…ヤバい。目の毒だわ。
また、ついうっかり見惚れちゃったじゃない。