『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
≪潤 side≫
金澤葵さんとの依頼実行の翌日。
姉貴からの指示で“恋人代行”のバイトを遂行中。
依頼者は近藤美希さん27歳OL。
1日有給を取ったらしく“1日デート”をする事に。
彼女の希望通り、ショッピングデートをしていた。
「潤くん、コレ見て?超可愛い!」
「ん?どれ?あっ…ホント。美希に似合うんじゃない?」
俺は彼女が手にした星がモチーフのヘアピンを手に取り、彼女の髪に当てる。
「うん、似合ってる」
「えぇー、子供っぽくない?」
「全然。前髪留めてデコ出したら?」
「えっ?ダメダメ!おでこは25まで。25過ぎたら、シミ、シワが目立つのよ…」
「そんなの気にならないけどなぁ…」
俺は小さな鏡の前で彼女の頬に自分の頬をくっ付け、ニコッと微笑む。
「もう、潤くん…恥ずかしいから/////」
彼女はヘアピンを売り場に戻し、
前髪を手櫛で直す。