『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ


≪潤 side≫


金澤葵さんとの依頼実行の翌日。


姉貴からの指示で“恋人代行”のバイトを遂行中。

依頼者は近藤美希さん27歳OL。

1日有給を取ったらしく“1日デート”をする事に。

彼女の希望通り、ショッピングデートをしていた。



「潤くん、コレ見て?超可愛い!」

「ん?どれ?あっ…ホント。美希に似合うんじゃない?」



俺は彼女が手にした星がモチーフのヘアピンを手に取り、彼女の髪に当てる。



「うん、似合ってる」

「えぇー、子供っぽくない?」

「全然。前髪留めてデコ出したら?」

「えっ?ダメダメ!おでこは25まで。25過ぎたら、シミ、シワが目立つのよ…」

「そんなの気にならないけどなぁ…」



俺は小さな鏡の前で彼女の頬に自分の頬をくっ付け、ニコッと微笑む。



「もう、潤くん…恥ずかしいから/////」



彼女はヘアピンを売り場に戻し、

前髪を手櫛で直す。


< 49 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop