『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
「はぁぁあ?意味分かんない!話があるならここでして!!」
大勢の人がいる中で、奴に向けて怒鳴った。
俺は取り囲む女子大生をかき分けて…
「葵!!」
彼女の元へ急いだ。
辺りがこれでもか!って位…騒ぎ始め、
俺と彼女、そしてアイツは大勢の注目の的となった。
俺が奴に“腕を離せと”と言うと、
“人の女を呼び捨てにすんな!!”と来た。
コイツ、まだ彼女を自分のモノだと思ってやがる。
俺は挑発するような口調で言い返すと、
俺が“誰だ?”と聞いて来た。
コイツ、マジで頭がイカてれるだろ。
この状況で口論してんだから、
普通、“彼氏”意外ありえないっつうの。
しかも、“牙剥き出し状態”
……マジでカッコ悪ぃ。
俺の言葉にムッと来たのか…。
彼女を掴む力が強くなったようで、
彼女が“痛い”と…。
奴が渋々腕を離した瞬間、
俺はすかさず彼女を引き寄せる。
それも、周りの目を気にせず、
“彼女に一途な男”を演じて…