『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
ホント、中途半端な奴。
諦めるなら諦めるで、
よりを戻したいなら、真っ向から奪いに来いっつうんだよ。
所詮、彼女はお飾りか?
黙って隣りを歩かせりゃステータスも上がるってか?
フッ……。
悪いが、彼女はそんなに安い女じゃねぇよ!!
俺らは奴と見物人らの視線が突き刺さる中、その場を後にした。
彼女を車に乗せたはいいが…
「今日はどうして?」
「え?あっ…デートとかどうかなぁって」
「へ?」
「この後、用ある?」
「えっ……いえ…」
「じゃあ、付き合って?」
う゛っ……苦し紛れに“デート”に誘ったはいいが、どうするんだ?
彼女はこの間の奴との一件を知らないし…。
マジでどうすっかなぁ……。
「で、どこへ行くんですか?」
「どこ行きたい?」