『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
彼女の行きたい所へ行けばいいか。
どうせ今日は暇だし。
それにゴールデンウィーク前で、
どこ行ってもセールとかフェアとかやってるし。
女の子って賑やかな所が好きだしな。
しかし、彼女は………。
「葛城さんのオススメで…」
「いいの?…う~ん、じゃあ…あそこにしようかな?」
げっ!!マジで??
普通の女子大生なら……
“〇〇行きたぁ~い”とか言うもんなんだけどなぁ。
う~ん、困ったなぁ。
彼女はニコニコと窓の外を眺めてる。
流れる雲でも見てるのか?
青空を見上げて……。
そう言えば、初めて彼女と会ったあの日も…。
カフェの窓際に座っていた彼女は、
窓の外の空を見てたっけ。
空とか……自然が好きなのかなぁ?
とりあえず、その場の雰囲気で
“あそこにしようかな?”的な事は言ったものの、
…………当ては無い。