『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
「あっ!!いる!!いるよ!!」
「いる?」
「うん。超絶なイケメンが1人」
「ホント?」
「うん。ホントは葵には紹介したくないんだけど…」
「なんで?」
「葵は“恋人代行”って知ってる?」
「恋人代行?」
「そう…。例えば、飲み会の迎えとかに彼に来て貰って、友達に自慢するとか。ストーカー対策でたまにデートするとか。カップルで出席するようなパーティーに同行して貰うとかね」
「それって、ヤバくない?」
「う~ん、今の所…大丈夫みたいだけど」
「そう……なんだぁ」
「あとは今までに1度も恋人がいないような人が、恋人を疑似体験…ってのもあるらしいよ」
「そんなことする人いるんだぁ」
「まぁ、葵には向いてないと思うけど…」
お姉ちゃんはソファに座って、紅茶を飲み始めた。
「で、どうする?頼んでみる?」
「大丈夫そう?」
「大丈夫。私の親友姉弟がやってるから」
「姉弟?」