『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ


暫く車を走らせると、1軒の花屋が目に留まった。

丁度、母の日フェアをしていて店頭に色鮮やかな花が並んでいる。



!!!!!


あっ!!あそこなら……。


俺は思いつくまま…とある場所へと車を走らせた。


着いた先は、以前姉貴に連れられ来た事のある神社。


姉貴が漫画に“つつじ畑”を描きたいと。

無理やり運転手をさせられ、来たのがちょうど1年前のゴールデンウィーク。


山奥になってて、参拝客以外殆ど人気が無い。

姉貴が漫画を描くには打って付け。

担当編集者が苦労して見つけたらしい。



俺はそこへ彼女を……。



―――――――って、ん?


俺、どうかしてんじゃねぇか?


自分のプライベートに依頼人を…。

今までこんな事…1度も無かったのに。

俺や姉貴に関する事は一切明かして来なかったのに。



何でだ!? ん??


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