『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
4 発火と導火線
《葵 side》
葛城さんとのお花見デートの翌日。
コミュニケーション3A(英語)の授業を終え、廊下に出ると。
!!!!!
昨日同様、亘が壁に凭れて立っていた。
「ッ!!何しに来たの!?」
「何しにって、お前に会いに」
『キャァァァアー!!』
一斉に廊下に出て来た女子の大群。
「どういう神経してんの?」
「お前、あの男とマジで付き合ってんのか?」
「なっ、何で亘にそんな事言わなきゃなんないの?」
「真面目に答えろ!!」
「真面目もマジメ、大まじめよ!!」
『ねぇ~金澤さんって、ストーカー?』
蔑んだ会話が耳に届く。
私が……ストーカー?
ストーカーはコイツだっての!!
「なぁ、まだそんなに長くないんだろ?やめとけ」
「何でそんな事言われなきゃなんないのよ!!」
「いいから、やめとけ。遊ばれて捨てられるのがオチだぞ?」
「いい加減彼氏面するのやめてよ!!」
「あぁ?」
私の言った一言がカチンと来たみたいで、
片眉がピクッと反応した。