『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
「私達、終わってるでしょ?」
「んじゃあ、また始めるまでだ」
「はぁ?呆れた。私にはそんな気サラサラ無いから」
「俺にはある」
「話にならない。勝手にして」
「あぁ、勝手にさせてもらう」
次の授業を受ける為、教室移動をしている私に、
何故かついて来る……亘。
「何でついて来るのよ!?」
「俺の勝手だろ?」
「勝手だけど、私の半径5m以内に近寄らないでよ!」
「嫌だね」
「なっ!?ちょっと!!」
「俺の勝手だからな」
英語の辞書を3冊抱えている私の腕を掴んだ。
「ッ!!ちょっと放して!!」
「無理!!」
「授業はどうしたのよ!?」
「今日は午後から」
「へぇ~ひま人なのね」
「お前バカか?お前に会う為にワザワザ早く来てんだろうが」
「あっそ」
……マジで!?
付き合ってた時は、会いに来ることなんて滅多に無かったのに。