『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
「はぁ~~~~」
窓際の席に座り、大きくため息。
「ちょっと、アレ……何!?」
二葉は隣りに座って…
「見ての通り。こっちが聞きたい」
「彼とより戻したの?」
「まさか!?冗談はやめてよ」
「じゃあ…何で?」
「自分よりカッコイイ男に取られたのが気にいらないんでしょ?」
バッグから教科書とノート、筆箱を取り出し授業の準備。
辞書を机の前に並べ…提出予定のプリントを再確認。
「そう言えば、昨日修羅場ったんだって!?」
「ッ!!修羅場なんてもんじゃ…」
思い出したら腹が立って来た。
あんな大勢の前でゴタゴタ起こさなくたっていいのに。
あぁ~これから暫く話題の餌食よ…。
「そんなに酷かったの?」
二葉は目をギラギラさせて、私をガン見してくる。
………始まった。二葉の事情聴取。
「凄い人だかりの中ね―――……」
私は昨日の出来事を一部始終話すと、
「へぇ~見たかったなぁ…」
残念そうに机に突っ伏した。
「もう!!二葉ってばぁ!!」
「ごめんごめん」
ホント、謝るつもりあるのかなぁ…?