『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
授業が終わり教室を出ると、亘の姿は無かった。
はぁ。どこか行ったみたいね。
「ねぇ、葵。お昼何にする?」
「二葉午後は?」
「今日はもう無い」
「ホント?」
「えっ!?葵も?」
「うん、休講になった」
「本当?じゃあ、どこか食べに行こうよ!」
「うん!!」
私と二葉は大学近くのカフェへ。
「久しぶりだね、外でランチ」
「そうだね。3年って実習があるし、思ってた以上に忙しいよね?」
「ホント~。二葉は実習どうするの?決めた?」
「うん、大体。葵は?」
「私はやっぱり中学かな?」
「そっかぁ…」
私は英語教師を目指している。
中学か高校で悩んでいるけど…。
二葉は姉と同じようにマスコミ志望。
教育機関と違って、実習先を確保するのが難しいみたい。
「お姉ちゃんに頼もうか?」
「ダメ!!自分でしなきゃ、弥生さんに幻滅されちゃう」
……いやいや、それくらいでお姉ちゃんは幻滅しないって。
むしろ、頼って欲しいと思ってるかも。
ホントにお姉ちゃんを尊敬しているらしく、
認めて貰いたいと……必死。