『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ


「けど、葵。高校じゃなくていいの?かっこいいイケメンいるかもよ?」

「年下?」

「教師と生徒の禁断の恋…いいわぁ~」

「実習生が生徒に手出しちゃマズいでしょ」

「手は出さなくてもお近づきよ。将来有望株がいるかも?」

「………はぁ」



苦笑いしか出来ないよ。



「それより、私はアイツの方が…」



もう、最近は亘と呼び捨てにしたり、アイツ呼ばわりするように。

付き合ってた頃は“亘くん”と可愛い声で呼んでたっけ。



「あっ、そうだったね。どうすんの?」

「どうしよう…ホント困ったものよ…」

「あの様子じゃ、まだ気があるんじゃない?」

「気があるってより、躍起になってる気がする」

「あっ、私もそれ思った。葛城さんだっけ?例の超絶イケメン」

「うん」

「その彼に対抗心を燃やしてるんだろうね?」



私達は亘の話を中心に、

実習の事など話して…久しぶりにゆっくりランチをした。

気付けば夕方になっていて…

二葉のバイト時間に合わせ、駅前で分かれ自宅へ。


夕焼けで赤く染まった空を眺めながら、

自宅の前に着くと―――


!!!!!!!


えっ!?……何で……?

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