『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
「ちょっと!!何でここにいんのよ!?」
「葵の帰りを待ってた」
「待ってたって、いつから?ってか、ストーカー?」
「何とでも言え。話がしたい」
「話すことは無いって言ったでしょ!?」
「俺にはある」
「帰って!!」
「話が終わったら帰るって!!」
「聞く気は無い!!」
玄関先で口論をしていると、
隣りの家のおばさんが出て来た。
………ヤバい。近所迷惑だ。
とりあえず、どこかに行かないと…。
私はおばさんに軽く会釈して…
「分かった。ここじゃなんだから…」
近くの公園へと向かった。
亘は黙って付いてくる。
……話ってなんだろう?
もしかして、よりを戻そうって?
浮気を謝るつもり?
私に目を瞑れって?
ハハハッ……冗談でしょ。
「おいっ!!ここでいいだろ」
急に亘が腕を掴んで来た。
公園に入ってすぐのベンチ前で…。