『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ


翌日の18時少し前―――。

待ち合わせのカフェへ。

店内を見渡してもそれらしい“超絶イケメン”さんは見当たらない。

まだ約束の時間前だし、来てないみたいね。


私は店員さんに奥の窓際席へと案内された。

カフェオレを注文して…

窓の外を眺めていた。



「あの、金澤葵さんですか?」


ふと、声を掛けられ振り向くと…。

姉が言ってた“超絶イケメン”さんが立っていた。


黒いTシャツにグレーのベスト。

黒いパンツ姿で180㎝以上はあると思われる長身。

少し茶色がかった髪はサラサラ。

目はくっきりの二重で、眼力がハンパない。

唇は薄く、ニキビなど1つも無い綺麗な肌。



私はあまりの“超絶イケメン”ぶりに思わず魅入ってしまった。


「金澤葵さんだよね?」


彼は少し困った表情で再度聞いて来た。


「あっ、はい。金澤葵です」


やっと我に返った私は、立ち上がって挨拶した。


< 8 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop