『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
翌日の18時少し前―――。
待ち合わせのカフェへ。
店内を見渡してもそれらしい“超絶イケメン”さんは見当たらない。
まだ約束の時間前だし、来てないみたいね。
私は店員さんに奥の窓際席へと案内された。
カフェオレを注文して…
窓の外を眺めていた。
「あの、金澤葵さんですか?」
ふと、声を掛けられ振り向くと…。
姉が言ってた“超絶イケメン”さんが立っていた。
黒いTシャツにグレーのベスト。
黒いパンツ姿で180㎝以上はあると思われる長身。
少し茶色がかった髪はサラサラ。
目はくっきりの二重で、眼力がハンパない。
唇は薄く、ニキビなど1つも無い綺麗な肌。
私はあまりの“超絶イケメン”ぶりに思わず魅入ってしまった。
「金澤葵さんだよね?」
彼は少し困った表情で再度聞いて来た。
「あっ、はい。金澤葵です」
やっと我に返った私は、立ち上がって挨拶した。