『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ

……ダメだ、浮かばない。

ってか、これから一緒に住むんなら先に話しておいた方が…。



「えっと…」

「はい？」

「………諦めて」

「はっ！？」

「ごめん。うちの姉貴、常識人じゃねぇから、話してもムリだと思う」

「………」



まぁ、普通はこうなるよな。

納得出来なくて普通だし。

なら、何て言えば……。


“俺の姉貴はイカれてます”？

“あの人は一度決めたら折れないから”？


あぁぁぁ～こんなんで納得出来ねぇだろ。



「えっと…「分かりました」

「へ？」

「とりあえず、潤くんと付き合ってる事になってるし。うちにも帰れないし」

「………」

「かと言って、亘とよりを戻すつもりは無いので…」

「俺でいいの？」

「はい？」

「いや…その……何て言うか……」

「まさか！？今日の今日、襲ったりしませんよね！？」



彼女は胸元を両手で隠す仕草をした。