『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
潤くんは“いいのに…”と言うけど、
これじゃあ朝ごはんどころじゃないよ。
っていうか、朝ごはん食べない派なのかしら?
「あの?」
「ん?」
「朝食っていらない……とか?」
「んーまぁ、あれば食べるけど…」
なるほど……そういう事なら。
私は部屋を片付け、手早く朝食の準備をした。
冷蔵庫には一通りの材料があったので、
トースト、ベーコンオムレツ、シーフードサラダをテーブルに並べた。
「潤くん」
「ん?」
テレビを観ていた潤くんが振り返る。
「これ、良かったら召し上がって下さい」
私はテーブルの上を指差すと、
「えっ?マジで!?……いいの?」
「フフッ…だって、潤くんの家のモノだもの」
私はニコッと笑顔で手招きを…
潤くんは“実は腹が減ってたんだよねぇ”と、ペロリと平らげた。
喜んで貰えると私も嬉しい。
何だかんだ他愛ない話をして、
いつの間にか大学へ行く時間になり
慌てて後片付けをして身支度を。
すると―――――、