『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ


「俺、教授の手伝いがあるから遅くなると思うし、好きに部屋…使っていいから」


……そう言い残して、潤くんは大学へ。


その夜、潤くんは帰って来なかった。



そんなに医学部って大変なのかしら?



翌日、緊張しながら潤くんへメールを送ると


『まだ、今日もかかりそう』

……と返信が。

2日も続けてだなんて、身体壊しちゃうよ。

………大丈夫なのかな?



大学の昼休みに二葉に相談すると、


「葵、それは気遣ってくれてるんだって!!」

「へ?」

「だから、葵に気を遣って友達とか女?とか…どこかしらに泊めて貰ってるんじゃない?」


…………女?

そりゃあそうだよね?

彼女がいるのに私みたいなのと一緒には寝れないか。

………えっ?

でも、“彼女”はいないって言ってたような…。



「この先もず――――っと、外泊ってのはキツイだろうし。葵も決断したら?」

「決断って?」

「だから、彼と一緒に寝ることよ」

「ね、ねっ、ねっ……寝るって!!!??」



思わず声が裏返ってしまった。


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