ハナさん成長記

私の家から学校までは電車でも1時間かかる。
どうしてそんな遠いとこにしたのかは、お爺ちゃんの家に近いから。
なんでお爺ちゃんの家に近いかというと……、まぁ、ちゃんとした理由があるんです。


ああ…これで遅刻したらまた怒られる。
うぅ…うちの先生怖いのですよネ…。

こうなったら……。


「お母さん、行ってきます!」


お母さんの顔も見ず、ひたすらダッシュ。


「わっ」


またもやこけそうになったのをなんとか踏ん張った。

そうして玄関の傍に立て掛けられてあったソレを手に取る。


困った時の移動手段―――ホウキ。


お母さんに見つかったらかなり怒られてしまうから、いつも内緒で使うんだよね。
ごめんなさいお母さん。
今日だけ許して。

もう何度目か分からないお願いをしてから、ホウキをもって外に出る。
外は、私の心情と正反対の対爽やかな風が吹いていた。






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