僕等の足跡 ~キセキ~
*

「―・・・ということで、1年生の皆さんは規則をしっかり守り、充実した学校生活を送ってください。以上です」

「・・・ふぁあああ~」

校長先生の長い長い話が終わると、私は大きな欠伸をした。
そして隣では、偶然にも同じクラスになった恋唄が、大きく伸びをしている。

「ねぇ、叶実ぃ~」

恋唄が小声で私に耳打ちする。

「何?」

「入学式終わったらさ、プリ撮りいかない?制服のままさ!」

「いいね、それー!賛成!」

「よしっ♪じゃあ決まりね~」

恋唄は楽しそうに笑った。

『新入生、退場』

マイク越しに男の人の声がしたかと思うと、明るい音楽が流れ始めた。
私と恋唄は慌てて立ち上がる。

そしてそのまま退場。出て行くときにお母さんが泣きそうだった。
まぁ、そうだよねー。私この高校絶対受からないって思ってたもん!
ちなみにここは、県でも有数の難関高なの。
成績標準の私が、まさか通るとは思ってなかった・・・

「新入生は、そのまま各クラスに向かってください!」

女の先生の声が聞こえた。
私達はぞろぞろと教室に向かう。
私達は1年7組だから・・・えっと、あ、あった。

「てきとーに席ついて~」

担任の先生がそういうと、皆仲のいい子と固まって座ってるみたいだった。
私は勿論、恋唄と一緒。

「えーっと、俺は担任の山口徹です。宜しくお願いしまーすっと・・・。それじゃあ、1人ずつ自己紹介していけ。じゃあ一番左の・・・お前から」

先生は私を指差した。

「え!?」

ちょっ・・・急に振るなよぉおぉぉぉ!!

私は恐る恐る立ち上がる。

「え、っと・・・守口叶実です。趣味はショッピングで・・・特技はフルートです。宜しくお願いします」

頭を下げると、ぱちぱちと拍手が起こった。
うう、自己紹介嫌い・・・恥ずかしい・・・!

「じゃあ次。守口さんの隣の人」

「はい」

恋唄が立ち上がる。

「森恋唄です。趣味は読書で、特技はテニスです。教科は英語が得意です。宜しくお願いします」

恋唄は可愛いから、見惚れてる男子が多かった。
そんなかんじで、ぐだぐだと自己紹介が続いていく。
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