僕等の足跡 ~キセキ~
そして最後の人まで自己紹介が終わったとき、タイミングよくチャイムが鳴った。

「―じゃあ、明日から宜しくお願いします!今日はこれで終了~!」

山口先生は大声で叫んだ。
何かこの先生、めっちゃてきとーだなぁ~
ま、いいけど。

「叶実ぃ~!プリ撮り行こうよ~!」

「うん!いこ~」

私はカバンを掴むと、恋唄と並んで歩いた。

「ねぇ~、叶実ー。クラスの山村くんって人かっこよくなかったぁ!?」

「えー。私全然タイプじゃない!」

「うそぉ~。叶実絶対おかしーってば!」

「おかしーのは恋唄だって!あのひと顔のパーツが可笑しいよ~」

「ぶっ!ひっどぉー!」

と、いいつつめっちゃ笑ってるじゃん!
ずっと歩いていると、横断歩道にさしかかった。
青信号が点滅して、赤になる。

「っわー。だめだ、間に合わなかったぁ~」

「まーそんな急がなくてもさー。大丈夫だって!プリ機は逃げていかないさ~」

恋唄がのんびり言う。
すると、私達の横に幼稚園生くらいの小さな女の子が並んだ。
キョロキョロと辺りを見回して、そわそわしてる。


「どうしたんだろー」

「さぁ・・・」

しばらくすると、車の通りが緩くなった。
そして女の子は左右を確認すると、赤信号なのにも関わらず飛び出す。




――・・・車が、迫っているのを知らずに。




「――!!!」




私の体は女の子へ向かって勝手に動いていた。


女の子が車に気付いて、目を見開く。




私は女の子に手を伸ばす。



―お願い、届いて・・・!!!





ぎゅうっ


女の子をなんとか腕の中に収める。

「よかっ―」

安心したのもつかの間―






キキイイイイイイイイイ!!!


耳を劈くようなブレーキ音と


ドンッ!!!!!!


体を襲った激痛



「あ・・・」



私は、意識を失った。
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