僕等の足跡 ~キセキ~
*
ピッピッピッピ・・・
一定のリズムで、鳴り続ける電子音。
ずっ・・・ぐすっ・・・
誰かのすすり泣く声。
私は、ゆっくりと目を開いた。
「あ、れ・・・?」
目の前には、真っ白い天井。
・・・・ここ、どこだろう?
「叶実!!!!!」
声のした方を見ようとするんだけど、体を捻ったらものすごい激痛が体に走った。
私は頭だけ横を向くと・・・
「お母さん、お父さん、姉ちゃん・・・と、恋唄?」
「叶実ぃ~~~~ッ」
お母さんはわんわん大声で泣き出す。
お父さんはそんなお母さんの背中を撫でつつ、泣いていた。
お姉ちゃんと恋唄は抱き合って喜んでいる。
「ちょっと待って・・・何で私、ここにいるの?てか、ここどこ・・・?」
「あんた、覚えてないのぉ!?私と一緒に横断歩道渡ろうとしたら・・・ひっく・・・小さい女の子が赤信号で飛び出して・・・叶実はその子を助けようとして飛び出して・・・!」
恋唄が泣きながら説明してくれる。
「あぁ・・・」
そういえば、そうだった。恋唄とプリ撮りに行こうとしたら、女の子が赤信号で飛び出したんだっけ?
段々記憶が戻ってきた。
ってことは、ここは病院か~・・・
「そんで、あの女の子は無事なの?」
「他人の心配しないで自分の心配しろ!3日も目を覚まさなくて・・・心配したんだぞ!」
お父さんがめがねを外して涙を拭く。
「そんなに目、覚まさなかったんだ~・・・なんかごめんね」
「なんかごめんねじゃないわよ!ばかぁぁぁ!!もう絶対こんなことしないのよ!?いい!?」
お母さんが泣きながら怒る。
そんなお母さんをお姉ちゃんが宥めてくれた。
「まぁまぁ、お母さん落ち着いてよ。あ、あたし先生呼んでくるね」
「わ、私も行くわ」
お母さんとお姉ちゃんが部屋を出て、パタパタとどこかへ走っていった。