僕等の足跡 ~キセキ~
部屋は、お父さんと私と叶実だけになる。

「もうほんっとバカ・・・」

叶実が真っ赤に泣きはらした目で私を睨む。

「ごめんって・・・許して?」

私が苦笑すると、恋唄はぷぅっと頬を膨らませる。

「ゆるさな―」

ぴぴぴぴっ、と恋唄の携帯の着信音が鳴った。

「あ、ごめん、出てくるね」

恋唄は小走りに部屋を出て行った。

「あ、父さんも何か飲み物買ってくるな。絶対動いたらダメだからな」

「分かってるって~」

お父さんも部屋を出て行く。
私は1人きりになった。




いや、正確に言うと、まだ患者さんが何人かいるんだけど。




「・・・やっと静かになった」




私の隣から、男の子の声がした。
多分ここは、ICUだと思うんだよね・・・
って事は、この人も手術したってことだよね。
疲れてるのにうるさくしちゃって・・・迷惑だったよね



「ごめんなさい、うるさくて」


私は反省気味に答える。


「別に・・・」


そっけない返事。





―・・・これが、キミと私の










一番最初の出会い。
















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