僕等の足跡 ~キセキ~
「こら。竜希くんも叶実ちゃんも、いつまでも話してたら他の患者さんに迷惑でしょう?早く寝なさい!」

看護師さんに叱られて時計を見ると、既に午後11時を回っていた。
私が目を覚ましたのが9時だったから、2時間は話してたことになる。

「はぁ~い・・・」

「ごめんなさい」

私達は渋々話しを中断して、ベッドにもぐった。
カーテンを閉めると、竜希が不満そうな声を漏らした。

「えー。ちょ、叶実。カーテン開けてよ」

「何で?」

私がカーテンを半分開けながらキョトンとして聞くと、竜希はにやっと笑った。

「叶実の寝顔見たいから」

「!!!??なっ・・・無理!」

勢いよくカーテンを閉める。

「えーー。叶実酷いなー」

「ムリムリ!寝顔とか、一番ブサイクだから!」

「だから見たいんじゃん!」

「何それ!酷いー!!」

「こら!叶実ちゃんも竜希くんもうるさいわよ。しかも叶実ちゃん、そんなに動いたらダメよ!肋骨に罅はいってるのよ!?」

看護師さんが慌てて私をなだめる。
私は肩で呼吸を整えた。ちょっと喋るだけで、すごい体力使う・・・

「手術後なんだから、あんまり無理しちゃダメよ?」

「はぁ・・・はい・・・ごめんなさい」

そして、私は目を瞑った。
するとすぐに眠気がおそってきて、深い眠りに落ちた。


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