16LIFE☆~それぞれの恋~
ギュッと力強く目をつむって、痛みを待っていたそのとき。
「・・・何やってんだ?お前」
本当に不思議そうに尋ねられた。
・・・・・・え・・・?
「あたしのこと、殴らないの・・・?」
首をかしげてそう呟くと、不良君は「はあ!?」と叫んだ。
「何で殴らなきゃいけねーんだよ?」
「だって・・・
あたし、あなたに失礼なこと言っちゃったし・・・」
「あぁ・・・
あんなの、言われ慣れてるから。
それに、俺は女は殴らねぇ」
へぇー・・・
いやいや・・・
ひょっとして不良君・・・ほんとは良い人なんじゃ・・・?
切れ長の鋭い瞳とか、
無愛想だけど優しい(はず)ところとか。
出会ってまだ数分なのに、
あたし・・・
あなたに、どんどん惹かれていってる。