16LIFE☆~それぞれの恋~
「それで。
お前、ケガはねぇのかって聞いてんだけど」
「えっ!?えーとえーと・・・
ありません。大丈夫です」
少々テンパりながら答える。
「ん。ならよかった。
・・・・・・じゃあな」
そう言うと彼は、あたしに背を向けて歩きだそうとする。
「あっ、ちょっと待って・・・!
名前・・・・・・っ!」
あたしは声を張り上げて尋ねる。
名前・・・・・・なんていうんだろ。
「・・・・・・矢神大翔」
小さく呟くと、彼はそのままスタスタと歩いて行ってしまった。
「お礼、言いそびれちゃった・・・」
今度・・・お礼しに行かなくちゃ。
だってあたし・・・
あのまま落ちてたら、きっと大怪我していたと思うから・・・