16LIFE☆~それぞれの恋~
それにしても。
あの男の子、ほんとに格好良かったな・・・
さっきは“優しいはず”なんて思っちゃったけど。
きっと・・・ううん、絶対に、彼は誰よりも優しいんだと思う。
だって・・・
自分は下敷きになって、本当はものすごく痛かったんじゃないかな。
それなのに、あたしを責めることは全くせずに・・・
あたしのことを心配してくれた。
しかも・・・思いっきり失礼な発言をしちゃったのに・・・
普通に受け流してくれていた。
そんなこと、普通の人じゃあできないよね。
あたしだったら、きっと自分のことで精一杯になっちゃうハズだもん。
「ヤガミヒロトくん、かあ・・・・・・」
あたしは、そのままボーッと立ち尽くしながら・・・
さっきまでの余韻に浸り続けていた。