16LIFE☆~それぞれの恋~
ニッコリと微笑む美緒をまじまじと見つめていると、“どうしたの?”という目をされて。
「いや、今日も美人だなぁって思って!」
と頭を掻きながら笑うと、美緒は「はあ・・・」とため息を漏らした。
「あんた・・・毎日毎日そんなことばっかり言って、よく飽きないわよね・・・?」
「?なんで?
美緒は誰が見ても振り返る美少女だよ?」
「・・・・・・もういいわよ」
顔をそらしてそう言うと、美緒はさっさと自分の席に着いて本を読み出してしまった。
どんな仕草も様になっているっていうか・・・
何をしてても見惚れちゃうくらい、美緒は本当に美人だ。
それにしても・・・・・・
前に、美緒がファッションショーに出ているところをTVで見たときは、多分人生で一番ビックリしたなぁ~・・・
しかも、超有名なファッションデザイナー会社のイケメン若社長さんが恋人だっていうし。
毎日、朝は学校に送ってもらってるし・・・ラブラブなんだよね・・・とにかく。
時々美緒の鎖骨にキスマークが付いてるのをみて赤面しちゃうあたしだけど。
あたしだって・・・美緒みたいなときめく恋をするんだもんっ!!
そう。
あたしが昨日の夜、頑張ってクッキーを作ってきたわけは・・・
―――矢神くんに渡すため。