16LIFE☆~それぞれの恋~
「このケータイ、君の?
椅子の下に落ちてたんだよね。
個人情報が入ってるだろうと思って、
持ち主が来るのを待ってた」
そしたらいつのまにか寝てた、と彼は続ける。
・・・最初から駅員に渡しておけばよかったのに、なんてあたしは思ってしまった。
けど、ずっと待っててくれたなんて・・・何だか、ものすごく申し訳ない気持ちで一杯になる。
「すみません・・・わざわざ拾っていただいたうえに、
待っていてくださったなんて」
「気にしないで。
俺がしたいことをしただけだからさ」
そう言って、柔らかく微笑む彼の瞳は・・・
普段より心拍数の上がっているあたしの心を見透かしているように感じるほど、
吸い込まれそうな綺麗な瞳。
―――だって、こんなに格好いいんだもの。
少しくらいドキドキするのは、女の子だったら当たり前、よね?