16LIFE☆~それぞれの恋~
「違う違う、ナンパだなんて人聞きの悪いこと言わないで?
俺はそんな下劣なこと一生しないね、見たくもないね」
・・・そこまで嫌いなのか。
って、ナンパじゃないのなら、何なのよ?
目で訴えると、彼は意味ありげな微笑みを向けられる。
「大事な話だし、ここじゃアレだしさ?
明日、俺の会社に来てもらってもいい?」
そう言って、スーツの胸ポケットから出した手帳にスラスラと何かを書き込むと、
書き込んだページをちぎってあたしの手に無理やり押し込められる。
・・・意味が分からないんだけど。
「それ、俺の会社の場所の地図ね。
この駅に結構近いから」
「・・・はあ・・・」
「じゃ、明日!絶対来てね?
受付嬢に“間宮海斗を呼べ”って言えば、俺を呼んでくれるだろうから」