16LIFE☆~それぞれの恋~
◇アリエナイ事態
どうしようかと周りに視線を泳がせると、社員の声が耳に入ってきた。
「何よあの子?図々しいわね」
「またこの手~?相手してもらえないからってしつこすぎ~」
いや、ほんとに意味不明。
「あのっ!呼んでくれるだけでいいんですけど!」
もう一度頼んでみるけれど、「お引き取りくださいませ」の一点張りだ。
じゃあしょうがないか、と受付嬢に軽く会釈し、踵を返して歩き出すと。
「―――美緒!」
聞き覚えのある、耳に残るハスキーな声――・・・