16LIFE☆~それぞれの恋~
入学式を終えて、教室に戻る。
クラスメイトの子は知らない子しかいなくて、私はちぢみ上がっていた。
そんなとき。
「友達、いないの?」
席について机に伏せていると、ふと頭上からかけられた声。
私は、バッと勢いをつけて顔をあげた。
――そこにいたのは、1人の女の子。
ベリーショートの黒髪に健康的な肌色をした、目が大きくてバンビみたいな子だった。
「わあ、可愛い・・・」
思わずそう漏らすと、その女の子はあたふたと慌て出した。
「えええ!?あたしのどこが可愛いのか分かんないんだけど・・・?」
あまりにも慌てているその女の子を見て、思わず吹き出してしまった私。
「ごめんね、つい・・・思ったこと口に出しちゃった」
そう言って笑いかけると、その女の子は目を細めた。
「可愛いのは・・・えーと、何さんだっけ?」