16LIFE☆~それぞれの恋~
話が全く理解できなくて思考停止していると。
『あ、“君”じゃ他人みたいだよね。
さっきも言ったけど、俺、間宮海斗。
君の名前、教えて?』
・・・数時間前までは他人だったでしょ。
頭の中でツッコミつつも、
「・・・・・・岸本美緒」
何だか、彼のペースに惑わされてばっかりだ。
出会った瞬間から。
『美緒?いい名前だね、似合ってる。
あと、かしこまって敬語なんて使わなくていいから。
・・・おっと。呼ばれてるから行かなきゃ。
――明日、待ってるからね?美緒』
その声と共に、ブチッと電話は切れた。
駄目だ。あの人のペースが全くつかめない。
そんな事を思いながら重いため息を吐く。
こうして、あたしはしょうがなく・・・今日、来ることになったのである。