16LIFE☆~それぞれの恋~
「・・・それと。
俺、美緒に一目惚れってヤツ、しちゃったから。
美緒は絶対に俺のものにするから、覚悟しててね?」
イタズラに弧を描く唇。
吸い込まれそうなくらい澄んだ、綺麗な瞳。
窓から入り込んでくる涼しげな風に揺れる、サラサラな黒髪。
・・・あたしはその全てにドキドキしてるんだって、分かってるくせに。
絶対にこいつは、確信犯だ。
「っそんなの、知らないわよ・・・!」
桂木さんが用意してくれた紅茶をテーブルの上に勢いよく置くと、
赤く染まっているあたしの顔を隠すべく、すぐにソファから立ち上がってバッと後ろを振り向く。
そして、熱い頬を冷ますために頬に手を当てた。
―――その瞬間。
優しくも力強い腕に、後ろから腰を引き寄せられる。
「・・・・・・!?」