16LIFE☆~それぞれの恋~
「明日から、モデルのレッスン受けてもらうから。
夕方5時に、ロビーに来てくれるかな」
いきなりキスされて思考停止しているあたしは、なんとかコクリと頷く。
そうすると、彼はわざとらしくあたしの耳もとに自分の唇を近づける。
「待ってて、ね?」
低く甘い、ハスキーな声。
彼の吐息が耳もとに掛かって、くすぐったい。
・・・・・・ああ、もう。
フェロモンを大量放出しないでよ。
あたしをドキドキさせる材料にしか、ならないんだから・・・っ
「さ、さよならっ」
いつの間にか緩くなっていた彼の腕から抜け出して、あたしは急いで社長室から出た。
――・・・『待ってて、ね?』
彼の声が、まだ耳の奥で響いてる。