16LIFE☆~それぞれの恋~
◇強引で甘い彼
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――パン、パン、パン
桂木さんの手拍子に合わせて、まっすぐにモデルルームを歩く。
「そうそう、その調子!」
この部屋は、この社内にある広い部屋。
壁の一面側には大きな鏡がかかっている。
・・・そう。あたしは、例のファッションショーのレッスンをしているのだ。
最初は間宮さんが教えてくれるはずだったんだけど、最近は仕事が立て込んでいてそんな暇はないみたい。
社長だもの、当たり前よね。
代わりに、社長秘書の桂木さんが教えてくれることになった。
秘書なのに忙しくないのか心配なんだけど・・・「全然大丈夫☆」と☆マークつきのスペシャルスマイルで軽く笑ってくれたので、お言葉に甘えてお願いすることにした。
練習は、今日の火曜日で3日目。学校が終わったらそのまま寄って、レッスンを受けている。
「うん、完璧。
そこらへんのモデルよりかは絶対うまくなってるよ~、さすがだねえ!
何かやってんの?ダンスとか、日本舞踊とか」
「バレエなら・・・」
中3の秋までだけど。確か、高校受験に集中するために辞めちゃったのよね。