16LIFE☆~それぞれの恋~
『ははッ・・・俺も今、そう思ってた』
――ドクン。心臓が大きく跳ねる。
・・・お願い。今すぐ会いに来て、抱きしめて・・・?
『今すぐ行くから。家の前で待ってて』
そう言うとすぐに、電話はプチ、と切れた。
一気に心が浮上する。もしかして、会いに来てくれるのかしら・・・?
急いで着替えて、階段を駆け下りる。
「美緒ー?どこかへ行くのー?」
お母さんの声がした。
「ちょっと、出かけてくる」
そう返して外に出ると、少し肌寒かった。
季節は春だもの。夜は涼しくて、当たり前よね。
門の前でしばらく立っていると、黒い車が目の前で止まる。
「美緒、ごめん。遅くなって」
「ま、みやさ・・・!」
安心すると同時に、涙がこぼれ落ちる。