16LIFE☆~それぞれの恋~
その子はすぐに理解できたようで、ゆっくりと微笑んだ。
「そうなんだ・・・あたしは亜耶と同じクラスの岸本美緒。
美緒って呼んで?」
「うん、分かった!よろしくね、美緒」
美緒っていうんだあ、可愛い名前・・・
何というか、名前負けしてない。雰囲気にぴったりな名前だなって思う。
そんなことを思いながらも、美緒をリビングに通して紅茶を淹れる準備をする。
私は料理とか裁縫が好きで、どっちかというと得意分野に入ると思うんだけど・・・
亜耶はそういうのが苦手らしくて、両親が仕事で遅くなる日の食事は全て私が自炊している。
「うーん・・・お菓子が何にも無いな・・・」
いつもお菓子が入っている戸棚を開けると、案の定からっぽだった。
昨日買い物に行っておけば良かったな・・・
・・・仕方ない、クッキーでも作ろう。30分もあれば出来るだろうし。
クッキーのたねを作り始めると、突然玄関のインターホンが鳴った。
「亜耶、悪いんだけど・・・手が離せないから出てきてくれない?」